『フジテレビやり直し会見』を観て。

2025.2.1

『フジテレビやり直し会見』を観て。

今回は先日(2025年1月27日)行われた、『フジテレビのやり直し会見』を観た感想を書きたいと思います。


初めにお断りしておきます。

事件の真相がどうとか、誰が責任を取れ、などの話ではありません。


あれから二転三転しておりますし、そもそも【問題の核】は全く違うところにあると感じているからです。


とは言え、
具体的な社名や出来事を文字にしていきますので、問題がありそうならば保身の為、早急に記事を削除したいと思っております。





さて、話題の会見は2025年1月27日(月)。
夕方16時から始まって終わったのは28日の午前2時24分。(なんと10時間超)


初めはなんとなく見始めたのですが、目が離せなくなって最後まで視聴しました。


冒頭の内容(謝罪、状況報告)にも注目しましたが、なんと言ってもそれに続いた「質疑応答」が興味深かったのです。


初回の記者会見がマズかったことで、フリージャーナリストやYouTuber、何者かよくわからないフリーランスにまで質問権があり、開始早々に波乱の気配がいたしました。


また、報道も行うフジテレビとしては「すべての質疑に答える」という熱意のある姿勢だったようで、その顛末を見届けるべく最後まで観てしまったというわけであります(笑)


尚、正確には「ライブ」ではなく、10分遅れの配信となっていた点については、質問者の性質を見れば当然だと思いましたし、もしリアルタイムであれば相当にマズかったと思うほど、出してはいけない言葉が飛び出していたようです。。

 




会見冒頭の流れを簡単に書こうと思っていたのですが、、


そもそもの起点となっている「週刊文春の記事」を週刊文春自身が訂正するという、まさかの展開になりましたので、


・あの10時間はなんだったんだ、、
・中居氏は引退しなくても良かったのでは、、


となっていますね(汗)


謝罪も質疑応答も、「その起点が事実である可能性が高い」ということを前提に話が進んでいましたので、「一体何を信じれば良いのか?」と全員がなったことかと思います。


また、フジテレビ側は、

(その起点もふまえて)
・これから第三者委員会にて事実を明らかにしていく。
・今の段階で不確定な内容にはお答えできない。


という一貫した姿勢で応答していましたので、


ただ一途に週刊文春を信じて、フジテレビ関係者を責め立てた記者たちは、やり切れないでしょうね。。


それもふまえてYouTube等を観直すのも良いかもしれませんが。。

 


ようやく本題に入ります。


今回の出来事には多くの要素が含まれておりました。


まず大きなキーワードとして、【ハラスメント】が挙げられると思います。


・業界最王手としての強い権力。

・著名な芸能人としての影響力。

・男女関係における女性搾取。
(この問題はセンシティブなので会見中の言葉を引用いたします。)


どれもが時代の流れの中で徐々に弱くなっている、或いは、悪として取り除こうとしている真っ只中にある問題かと思います。

 

特に女性搾取(女性接待)の問題に関しましては、本当に今まさに過渡期にあり、猛スピードで改善されつつあるのではないでしょうか?


つい先日まで、、そうですね、、
コロナ禍の前まで頻繁に行われていた忘年会や新年会、歓迎会や送別会を思い返してみてください。

比較的に人数の少ない女性社員(スタッフ)は、男性社員(スタッフ)の間に挟まれるように配置されていたのではありませんか?


ましてや、『取引先との接待』ともなれば、無愛想な年寄りの男性社員よりも、(比較的に)物腰の柔らかい女性社員の方が案件確度が上がるというのは、定石ではなかったでしょうか??

(これもまた、失礼にあたるのであれば申し訳ありません。。)



「時代の変化だと思います。」

フジテレビ役員もそう話していました。

 

僕も怖いと思いました。。

黒いランドセルを背負って、日直が男同士になるとなんだかテレ臭い世代でしたので、知らずして女性を傷つけている可能性が高いと反省しております。。


フジテレビに限らず、
有名芸能人に限らず、

本当にセンシティブな時代なんだなぁと思う次第です。。

 

 


もう一つの大きな要素としては、

世代交代を促すような『大きな勢い』を感じました。

 

栄華を極めたテレビ業界が衰退していく中、YouTubeやSNSが台頭して選挙戦が大きく変化した2024年。


オールドメディアと揶揄されたテレビのど真ん中にいたフジテレビで、様々な問題が発覚しました。


それは今始まったことではなく、当時は許されていたことが時代の変化や権力の弱体化によって看過されなくなったっていう問題ですよね。


昔は隠蔽できたこともデジタル化によってもみ消すことが難しくなった技術の進化や、個人が自由に発信できるネット社会(SNS)の確立があり、ここぞとばかりに騒ぎ立てるYouTuberや活動家が散見されました。


あえて表現するならば、



・テレビvsネット
・昭和vs令和


そのような構図の上で、すべての矛先がフジテレビに向いた、そう感じました。


しかし。

あれは【イジメ】です。


そして、それを正当化した根拠が『文春砲』であり、何事もなかったかのように訂正されたものだったのです。。

 

フジテレビは言いました。

「まだ事実が明確ではないので、第三者に調査してもらった後、しかるべき責任を取ります」


記者たちはそれを受けて何度も言いました。

「証拠(文春砲)があるのにシラを切るのか?逃げられると思っているのか?」


そのイジメが10時間続いた、と言っても良いと思います。


もちろん、皆さんの正義感やジャーナリズムがあってのことだと思いますが、「大義名分があると勘違いする」って恐ろしいと感じました。


沸き起こった『大きな勢い』の中で、本当に正しく冷静な判断ができるのか?


こちらも他人事ではないと思ったのです。


実際に僕もネットを見てて、
「諸悪の根源はフジテレビの大ボスだ!」と信じて疑わなかったのですから。



さぁ、これからどうすれば良いか。

もちろん時代に合わせて自分を進化させていくしかないわけですが、今日の話はそれだけでは終われない(笑)


本当に「本当の問題の根本」にふれていきたい。

 

『一体何を信じれば良いのか?』

・会社
・会社幹部
・社員
・当事者
・雑誌社
・フリーランス
・SNS


それぞれが自分の正義を信じて、自分を守り、時には他者を攻撃しました。

会見後にはフジテレビを責め立てた記者たちがSNSで吊し上げられていました。


昨日はAを信じてBを攻撃し、今日はCが加わってAを守った。
どうやらAが嘘をついてたらしく、明日はAを問いただそう。


なんかそんな感じで。。


今回のジャーナリストたちに多く見られたのは、よくよく聞いてみると「フジテレビが大好き」という人たち。


フジテレビ、或いはテレビ(芸能界)が好きすぎてテレビ界隈にいる。
長期に渡って私たちを裏切ったテレビを許せない。


愛なのか何なのか、、裏切られたので人一倍に怒りも大きい。


そのようにも見えたのです。

 


以前から感じているのは、『日本人の信仰心』の低さ。


(いや。僕も無宗教無党派なんですけどもw)


海外ではキリスト教徒かイスラム教徒が数多くいますが、日本人は何も信じるものがないんですよね。


あるにはあるんでしょうが、『信じるものが定まっていない弱さ』がある。


あるのは「その時、一番強い権限を信じる」という信仰。

これがメンタルの弱さにつながってるんだと思うのです。


日本はある意味で特別な国です。


天皇は神から人になりました。
お金を信じてバブルははじけました。
芸能人は星から屑になりました。
テレビは廃れてネットに依存しました。



『一体何を信じれば良いのか?』


日本の文化を宗教的にカテゴライズすれば、【儒教(儒学)】ということになるんでしょうが、これこそが【ハラスメント】の原因になっているのではないでしょうか。

そして、日本の文化から【ハラスメント】だけを上手に取り出すことは不可能。


そうやってまた、、
信じるものが崩壊しかかっている。

そんな過渡期なのかもしれませんね。。


「フジテレビ!おまえだけはオレを裏切らないでくれ!!」


あの会見が、そういった叫びにも聞こえたのは僕だけでしょうか?