2024.7.1
この記事は2018年11月に書いたものですが、そのUG(アップグレード版)になります。
今回は、
『補助金の利用』を促すお話ではありません。
むしろ、
「利用しなければ損」みたいな考え方を改めて頂きたい。
横行している”補助金(助成金)ビジネス”に巻き込まれないで欲しい。
そう思って書かせて頂きます。
■補助金とは
政府が私企業や個人などの民間部門に対して行う一方的な貨幣の給付。
中央政府または地方政府が、行政上の目的・効果を達成するために、公共団体・経済団体・企業・私人などに対して、反対給付を受けることなく支出する現金給付。
【IT導入補助金】
中小企業・小規模事業者等が自社の課題やニーズに合ったITツールを導入する経費の一部を補助することで、業務効率化・売上アップをサポートするもの。
(ウィキペディア)
確かに、
この世には「知らなければ損」という事が往々にしてあります。
「もらえるものは、病気以外はもらっておけ」という言葉もあるようです。
しかし、
「お金がもらえるからやる」とか、「いくら使えるからコレをやってみたい」などと言うのは、
地域の商店街の福引きで当たった『行きたくもない温泉旅行』に、たまたまスケジュールが空いていた友達と行くような虚しさを感じます。
今日は、なぜそれがダメなのかご理解頂きたいのです。
<順序が逆>
まず初めに、やりたいこと(成し遂げたいこと)が存在します。
それにはそれなりの対価が必要になり、一般的にはお金が必要です。
どれくらいのコストがかかるかは、専門家が『その内容と納期』から算出して見積書を提示します。
ここで初めてお金の話が出てくるのであって、
先に『予算と納期』が決まって、最後に『その内容』が決まるなんてことは本来あり得ないのです。
"本末転倒"とはまさにこのこと。
問題は、
この矛盾した状況をさらに複雑にするコンサルタント等の存在。
成功報酬であろうが、給付される補助金の中から『補助金申請手数料』を支払うわけですから、通常の『予算と納期』にプラスして、『補助金申請手数料』とコンサルの都合を加味して『その内容』を決めなければならない。
◆見積書、注文書、請求書
補助金を申請する為には『予算』と『その内容』を明記する必要があります。
制作完了後に、その内容と一致しなければなりません。
それをコンサルの『補助金申請手数料』が差し引かれたコストで制作しなければならない。
しかもクライアントは、
「補助金でこの見積金額を無料で作成した」と嬉しそうに周りに話すわけですから、下手にサービスの質を下げるわけにもいかないのです。。
ほんとに困った話ですよね???笑
一番の問題はここからです。
クライアントも、コンサルタントも「補助金の申請が通った段階」で満足してしまいます。
あとは申請手続を慎重に進めて無事に入金されれば問題ないといった御様子。。。
打ち合わせ等をして十分なサービスを受ける為の工程は、「うわの空」です。
自腹を切っていないので、気持ちが全く入らないのです。
逆に言うとクレームもありません。
無料だから。。。
結果的に、
そのサービス(成果物)がクライアントに役立つとは思えません。
逆に、申請や打ち合わせに「時間や労力」をしっかり使ってしまっているのです。
いつの間にか「補助金を利用する」ことが目的となり、大事なことをすっかり忘れてしまいます。
ちなみに、
間に入っているコンサルタントや士業さんはどうなのか。。
▶︎「申請が通らなかったときのリスクや、申請手続きの手間を考えると手数料は割に合わない」と言うのです。
サービスを提供する立場としても、
「申請を通すことを最優先に考えたサービス」を行う事となり、不本意な事ばかりです。
もし申請が通らなければ業者の責任にされてしまうリスクだってあります。
【誰も幸せにならない】
交付される金額ばかり唱えて提案してくる人が、怪しいという事は皆さんご存知なはずです。
でも、給付が見えてくると、忘れてしまう。。
補助金ビジネスが成り立ってしまうのは、そんなロジックなのかなと思います。
補助金(助成金)を完全に否定したいわけではありません。
ハンバーガーの「無料チケット」をもらったからといって、
・わざわざ遠方に食べに行きますか?
・食べたいのは本当にハンバーガーでしたか?
・他に何か買い物はしませんでしたか?
・そもそもお腹は空いていましたか?
客観的に見ると、そんな虚しいお話なのです。